PC関係独り言・2003年11月24日〜2004年6月4日

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2004年6月4日

Peripheral Component Interconnect

今回はParheliaのPCI版を知り合いから借用する機会がありましたので、その性能評価を簡単に行ってみたいと思います。

ParheliaのPCI版は64bit/66MHz PCIに対応し、画像メモリはDDR-SDRAM256MB、DVI-I×2という構成になっています。これはParhelia-512がPCIに対応しているわけではなく、実際にはHiNTのHB2というAGP-PCIブリッジを用いてバスインタフェースを変換しています。このボードの裏には大きなHB2チップが載っており、構成としてはG450のPCI版と似たような形になっています。その他はAGP版と差はなく、単純にParheliaが64bitPCIになっただけです。

このボードはPCI版のグラフィックボードとしては12万円と破格で、買う人はよほどのMatrox好きか趣味人か、４画面以上のDVI接続マルチモニタユーザくらいしかありえなさそうです（といいながら身内では2人も買ってるんだが。。）買えるなら当然私もほしいのですが、如何せんあの値段じゃなあ。。

ってなわけで、気になるのはAGP版との性能差です。今回は3D性能に重点を置いて、簡単にベンチマークを取って性能を比較してみたいと思います。評価環境は以下の通りです。なお、PCI版は64bit/66MHzPCIスロットに接続しています。

マザーボード Rioworks PDPEA-WOR(Intel E7505)
プロセッサ Xeon2.4GHzDual(FSB133MHz×18、Hyper-Threading ON)
メモリ PC2100 CL=2.5 DDR-SDRAM 512MB×4=2GB
HDD 富士通 MAP3367NP/MAH3091MP/MAJ3091MP+日立 DK32CJ-18MC+
Seagate ST3160023AS/ST380023A
OS WindowsXP Professional+ServicePack1
DirectXバージョン 9.0b

Parhelia AGP/PCIのドライバ版数は以下の通りです。

ドライバ版数 1.06.02.005

[1]3DMARK2001SE Build330

今までの結果と比較できるように取っておきます。

解像度 1024×768
Parhelia/AGP 8001
Parhelia/PCI 6170
(参)P650 3862

6000は超えているのでまあ及第点です。PCI版グラフィックボードとしては速い部類なんじゃないかと思います。

[2]3DMARK03

Matroxのボードでは例によってぼろぼろの結果なので、標準解像度のみで測定しました。

解像度 1024×768
Parhelia/AGP 901
Parhelia/PCI 660
(参)P650 477

まあこんなもんでしょう。もともとが遅いので期待もしてませんでした。

[3]NovaLogic Comanche4 Bench

DirectX8.1ベースで、結構メジャーな3Dベンチです。32bit colorでの測定です。

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia/AGP 39.19 37.53 32.26 26.04
Parhelia/PCI 30.36 28.31 24.42 20.61
(参)P650 27.71 20.36 17.13 12.66

成績としては3枚の中では中間程度です。最速であるAGP版の成績がいまいちなので、尚更いまいちに見えます。。

[4]QuakeIIIArena

コマンドラインでdemo demo001[Return]として、以下の条件でベンチマークを測定しました。

GL Driver:default
GL Extensions:ON
Color Depth:32bit
Lighting:vertex
geometric detail:high
texture detail:max
texture quality:32bit
texture filter:bilinear

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia/AGP 224.1 183.9 117.9 82.3
Parhelia/PCI 98.7 86.0 68.9 55.4
(参)P650 126.3 82.1 50.5 33.9

フレームレートとしてはまずまずです。640×480の成績がP650のほうがよいのが気になりますが、PCI版でもQuakeIIIArenaは遊べるフレームレートを叩き出すと考えてもよさそうです。しかし1600×1200は厳しそう。

[5]夏海ベンチ

ほとんど惰性でとっていますが（待て）例によって過去との比較用です。32bit Color、Pure HardwareT&Lで測定しています。

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia/AGP 7924 7812 7733 6494
Parhelia/PCI 1383 1367 1336 1298
(参)P650 7657 5975 4310 3171

PCI版の成績が妙に悪いのが気になります。チップ自体はAGP版と同じ、更にP650は低性能版なのでなおのことこの結果は不思議です。PCI版だから、ではどうにも納得できる説明にはならなさそうですが、なにかこのプログラムとの「相性」でもあるんでしょうか。

[6]Final Fantasy XI Benchmark V2.0

マルチプロセッサ環境で成績が低下する症状は相変わらず直っていないので、結果は参考程度です。すっかりベンチマークとして定着した感があります。

解像度 Low High
Parhelia/AGP 3705 2699
Parhelia/PCI 1746 1485
(参)P650 2689 1708

P650より成績が悪くなっていて、これまた妙な結果です。

[7]N-Bench3.0

標準設定で測定しました。AMD64対応版は年末といわれていますが、WinXP 64-Bit Editionが年明けになりそうなので、それにあわせてずれこみそう？

　 Overall
Parhelia/AGP 1455
Parhelia/PCI 1187
(参)P650 1381

これもP650を下回る成績を出しています。ひょっとするとPCI版はベンチマーク対策でもしてある・・・わけないよなあ。

[8]Tenebench

AquaplusのWindows/X-Box用ゲーム「テネレッツァ」のWin用ベンチマークです。ゲーム自体は結構面白いです。「Aquaplusってアクションゲーも作れたんだ」っていう感想です。

Parhelia/AGP 2855
Parhelia/PCI 2775
(参)P650 2709

途端にP650を超える成績を出します。3D速度に関して挙動がどうも変な感じがします。途中にブリッジが入ってるから？

[9]その他

2D系の操作感はAGP版とPCI版で差はほとんどないのですが、UXGA環境下では心持AGP版のほうが軽快に動作する感じがします。さすがにP650よりはスクロール速度や使用感はよいのですが、バス変換での速度低下の影響がここでも現れているのでしょうか。

またPCI版のみの現象なのか、ゲームなどでフルスクリーンに切り替わるときに間があり、その間は画面にごみが出ます。切り替え自体は正常に行われるものの、妙な現象ではあります。ちなみに同じドライバ版数のAGP版では起こりません。

このボードは64bit/66MHzPCIが基本動作モードですが、PCIであるため32bit/33MHzPCIや64bit/33MHzPCIでの動作も可能です。このあたりの動作をServerSetIIIで検証した結果があり、結論としてはやはりバスの状態によって大きな速度変化がおきるというものでした。当人に転載の許可を得て以下のシステムで3DMARK2001SEを取ったところ、バス速度によって差が出ることが確認されています。

システムその１

マザーボード Supermicro P3TDE6-G(Serverworks ServerSetIIIHE-SL)
プロセッサ PentiumIII-S1.4GHzDual(FSB133MHz×10.5)
メモリ PC133 CL=3 ECC-Registered SDRAM 512MB×2+1GB×2=3GB
OS Windows2000 Professional+ServicePack4
DirectXバージョン 9.0b

　 3DMARKS
64bit/66MHz PCI 5888
64bit/33MHz PCI 5030

システムその２

マザーボード Supermicro S2DL3(Serverworks ServerSetIIILE)
プロセッサ PentiumIIIXeon900MHzDual(FSB100MHz×9)
メモリ PC133 CL=3 ECC-Registered SDRAM 512MB×2+1GB×2=3GB
OS Windows2000 Professional+ServicePack4
DirectXバージョン 9.0b

　 3DMARKS
64bit/66MHz PCI 5886
64bit/33MHz PCI 4934
32bit/33MHz PCI 4886

・・・って、PentiumIII-S1.4で5888、PentiumIIIXeon900で5886、Xeon2.4で6170ということは、この板は3DMARK2001SEに関しては6000程度で頭打ちなんだろうか。

[10]総評

3D性能としては、例外もあるものの大体AGP版とP650の間くらいという感じになりました。DirectX9世代には使えないものの、DirectX8.1までのゲームならある程度は遊べる性能になっています。2D速度ももとのチップがParheliaだけに申し分ありません。

しかしこのボード最大の利点は64bit PCIに挿せることで、これはつまりE7501やGC-LEのようなチップセットが乗ったServer用途のマザーボードを安値で調達したとき、このボードがあればそのままメインマシンとして使えるなどといった芸当が可能になります。PC用のPCIグラフィックボードとしては、前にもあとにもこれが最強になるでしょう。

このボードは12万円という値段が問題で、これはいわゆる「Matrox価格」とはいえなんとかならんもんでしょうか。あとこのボードが見ている市場というのは一体どこ？PCIワークステーションとか4画面以上のマルチモニタとか書いてありますが、Parheliaって大手メーカのIA-WS採用実績がまだないだけに、苦戦が容易に予想されます。売れないとMatroxユーザとしても困るんだけど、如何せん。。

Parhelia関連だとAGP8X対応のParheliaがいつの間にか出ていて、これがいつ国内に入ってくるのかに関心を持っています。またすごい値段になりそう。あとはPCI Expressへの対応ですが、Matroxが何も言及していないのは裏で隠し玉を開発してるのか、それとも今年は単なる様子見なのか。

2004年3月20日

巨象の後追い

本業が修羅場過ぎて何かストレス発散したいなと思っていましたが、ついに我慢ができなくなりThunderK8Wを買ってしまいました（笑）もうなんつーか、こういうダイブでもしないとやっとれませんなあ。

とごく個人的なことは置いておいて、今回はこのThunderK8Wを使ったレビューを行いたいと思います。やれそうなねたを考えるといろいろあるため、このねたは数回に分けて行うつもりです。

Tyan ThunderK8W(S2885ANRF)については前にも既に述べているのでここを参照してもらうとして、スペックに関しては1点だけ。USBについて、前々回のねた(2003年11月24日)でAMD-8111はUSB1.1のみだと書きましたが、仕様書を見るとEHCIが搭載されていました。しかし、USB2.0をEnabledにしているAMD-8111搭載のマザーはまだないようです。AMD-768のUSBバグ騒ぎの二の轍を踏まないため？AMD-8111の仕様書にあるUSB関連のPCIコンフィグレジスタをざっと見てみましたが、叩けばむくっとUSB2.0コントローラが起きてきそうなレジスタ設定はなさそうです（NDAの仕様書には記述があるのかもしれないが、我々一般ユーザが知り得るところではない）USB2.0については、１本だけの32bitPCIにUSB2.0ボードを挿せということなんでしょう。USB2.0標準搭載の時代に、不便な仕様ではあります。オンボードでUSB2.0コントローラを搭載しているマザーもありますが、なんでThunderK8Wは乗ってないんだろう。

正直なところ、同じDIMM×８のAMD-81x1フル搭載マザーボードならRioworksのHDAMCの方が使いやすいです。HDAMCは32bitPCI×2でUSB2.0コントローラもオンボードで搭載しているので、一般的な用途での使い勝手はThunderK8Wより上です。しかしわしはそれでもThunderK8Wを選ぶわけですが。。。ちなみにIwillのDK8XはHDAMCのOEM品という話です。

[1]導入編

まずは導入編から。CPUには予算の関係からOpteron240×2を選びました。本当は246や248がほしいんですが１個９万円以上かかるため、将来購入するものとして今回は見送りました。性能評価については次回行います。今回購入したOpteron240はRevisionがSH7-B3で、SSE2の速度低下やDDR333までのメモリ速度対応という制限があります。
CPUヒートシンク＋ファンの取り付けはちょっと特殊で、マザーボードの裏にプレートを取り付け、固定用プラスチック枠を取り付けてねじ固定します。その後フック金具で固定し、レバーでさらに固定します。ヒートシンクの取り付け機構がSocket423＋Socket478の合いの子みたいな感じです。ヒートシンクといえば、OpteronやAthlon64になってヒートスプレッダがついたため、ヒートシンクの取り付けミスによるコア欠けがなくなるのは大きな利点です。SocketAのAthlonが出てきたころから指摘されていたことですが、ようやく実現したといったところでしょうか。

次にグラフィックボードですが、当初ThunderK7で安定動作実績があるRadeon9500ProでOSインストールしていたものの、インストール中に画面が崩れるという障害が発生し、途中で停止せざるを得ませんでした。またParheliaはPOST時の画面が崩れたりするなど（こちらはThunderK8Wの弟分TigerK8Wでも発生するらしく、VGA-BIOSの問題である可能性が高い）、AGPのグラフィックボード関連での障害が出るあたり、Tyanらしい振る舞いだなと思いました。Tyanのマザーボードはハードウェア（プリント板など）の出来は秀逸なのに、いつもBIOSの出来がいまいちよくないんですなあ。これをどうねじ伏せるかが、Tyanマザーとの勝負になります。特に最上位モデルのThunderシリーズは難物揃いなものの、一度ねじ伏せるとすばらしい安定性と性能を提供します。ってねじ伏せるまでが大変だったりするんですが。。。
グラフィックボードは結局、インストールが問題なく行えた借り物のFireGL X1 128MBを使うことにしました。ワークステーションマザーにはワークステーション用グラフィックボードをつけろということ？

メモリはECC-Registered DDR-SDRAMのみのサポートで、DDR400/333/266/200の４種類のメモリが使用できます。OpteronはメモリインタフェースはDDR-SDRAM2chなのですが、実際には1ch構成にすることも可能です。参考として、ThunderK8Wでのメモリ1chと2ch動作それぞれに対応したメモリの装着表をマニュアルより抜粋しておきます。表の見方としては、「○」のスロットにメモリを装着します。

　 64bitメモリアクセス
（インタリーブなし）		 128bitメモリアクセス
（インタリーブあり）
CPU0 - DIMM A1
下位 64bit		 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 　 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 　 ○
CPU0 - DIMM A2
上位 64bit		 　 　 　 　 　 　 　 　 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 　 ○
CPU0 - DIMM B1
下位 64bit		 　 ○ 　 ○ ○ 　 ○ ○ 　 ○ 　 ○ 　 ○ ○ 　
CPU0 - DIMM B2
上位 64bit		 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○ 　 ○ 　 ○ ○ 　
CPU1 - DIMM A1
下位 64bit		 　 　 ○ ○ ○ ○ 　 ○ 　 　 ○ ○ ○ ○ ○ 　
CPU1 - DIMM A2
上位 64bit		 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○ ○ ○ ○ ○ 　
CPU1 - DIMM B1
下位 64bit		 　 　 　 　 ○ ○ ○ ○ 　 　 　 　 ○ ○ ○ ○
CPU1 - DIMM B2
上位 64bit		 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 　 ○ ○ ○ ○

この表を見ると、下位64bitに割り当てられているDIMMスロットにメモリを装着すれば64bitメモリアクセスになります。しかし、実際にはこのクラスのマザーを購入するユーザがメモリを1ch動作させるなんてことは考えられないので、64bitメモリアクセスの対応表は無視してもいいんじゃないかと思っています。むしろ128bitメモリアクセスの表をよく見ましょう。

Opteronのメモリに関連した話題で、すでにご存じのようにOpteron/Athlon64はメモリのアクセスレイテンシ削減のため、CPU側にメモリコントローラを搭載しています。2個以上のマルチプロセッサ構成が可能なOpteronに関しては、CPU1個に対してDIMMスロットが生える形になり、それぞれのCPUが認識するメモリの合計がシステムメモリの容量になります。また、他のCPUのメモリへのアクセスにはCPU同士を接続するHyperTransport経由でレイテンシが生じること、キャッシュの一貫性は保証されていることから、これはcc-NUMA(Cache Coherent Non-Uniform Memory Access)に極めて近い形になります。テクノロジとしては大規模数値計算用スパコンなどで使われるようなもので、Opteronの先進性を感じます。ちなみにItanium2+E8870やXeon+E750x/GrandChampionのようなチップセット側にDIMMスロットが生えるシステムは、すべてのプロセッサからメモリにアクセスする速度が一様なことからUMAになります。

以上のことから、ThunderK8Wの事例におけるOpteronDualシステムで最適性能を得るには、メモリを128bit接続でかつそれぞれのCPUごとにメモリを装着すればよいことになります。1個目のCPU0のみにメモリを装着すると、2個目のCPU1は常にCPU0のメモリにアクセスしにいくことになり、その分性能は下がります。つまり、メモリは4枚一組増設ということに。。。私の場合は、とりあえずPC2700 CL=2.5 DDR-SDRAM 256MB×4＝1GBで、CPU0とCPU1に2枚ずつ装着としました。

もっとも、CPU1がCPU0のメモリを参照すると確かにレイテンシは発生するものの、HyperTransport自体は高速であるため、そこまで神経質になるほどのものでもないと考えられます。AMDが言うにはOpteron 8-Wayのシステムにおいて、あるCPUからもっとも遠い位置に存するCPUのメモリ参照に要する時間は、参照命令を出したCPU自身に直接接続されているメモリにアクセスする時間の2倍程度ということなので、この結果からいって予算が厳しいときなどは、とりあえずCPU0にメモリ2枚でもよいと思います。このあたりの性能差は興味があるので、今度測定してみようと考えています。

ちなみに、HDAMB(Rioworks)やThunderK8Wの弟分TigerK8W、K8T800(VIA)搭載のK8TMaster2-FAR/MS-9130(MSI)はDIMM×4ですが、これはCPU0のメモリコントローラのみを使用し、CPU1は常にCPU0のメモリを参照する形になります。いずれもATXサイズなので、DIMM×4が限界なことからこの仕様になったのでしょう。

[2]64bit OS環境での評価

Opteronということで、試してみたくなるのはAMD64対応OSでの動作です。現在AMD64対応のOSはTurboLinux8(ThunderK8Wにバンドルされている)、SuSE Linux9.0、Red Hat Enterprise Linux WS Version 3などで、Linuxの世界では対応が積極的に進んでいます。対応予定はSolarisとWindowsXP 64-Bit Editionで、今回は我々一般ユーザにとってもっとも身近なWindowsXPを扱います。

WindowsXP 64-Bit EditionのAMD64対応版の正式名称は「WindowsXP 64-Bit Edition for 64-Bit Extended Systems」と長ったらしくもややこしい名前で、面倒なので以後は「WinXP-AMD64」とします。このWinXP-AMD64は当初はOpteron/Athlon64用でしたが、Intelが「後追い」でIA-32e(intel 64-bit extension technology)を発表し、AMD64と同じレジスタ構成にしてほぼ完全互換としてきたため、WinXP-AMD64という呼び方は実際にはそぐわなくなると思われます。このIA-32eとAMD64の互換性については何やら裏で極めて政治的な動きがあったようですが、関連記事を見ても憶測でしかないためここでは省きます。

さてこのWinXP-AMD64、ベータ版がダウンロードが可能で、360日の期限付きで使用できます。360日以内に正式版が出ると思われるため、この期限は特に問題にはならないでしょう（と思いたい。）Buildは1069で、実は去年９月に配布されたバージョンと同じとのことです。というわけで、以下のシステム構成にこのWinXP-AMD64をインストールしてみました。

マザーボード Tyan ThunderK8W(AMD-8111/8131/8151)
プロセッサ Opteron240Dual(1.4GHz, HyperTransport)
メモリ PC2700 CL=2.5 ECC-Registered DDR-SDRAM 256MB×4=1GB
HDD Seagate ST336607LW+ST360015A
DVDROM NEC ND-1300A
グラフィックボード ATi FireGL X1 128MB
SCSIインタフェース Adaptec ASC-29160(PCI-Xに接続)
電源 Enermax EG851AX-VH(FM)

インストールが進み、無事にデスクトップ画面が出れば完了です。そのデスクトップ画面は以下のような感じです。WinXP-AMD64のベータ版は現状英語版しかないのですが、日本語IMEをインストールすることで日本語表示・入力が可能になります。

My DocumentsやMy Computer、My Networksを日本語表記に変更していることもあって、ぱっと見は通常のWinXPそのものです。右下にある「Windows XP 64-Bit Edition Version 2003」の文字列を見て初めてWinXP-AMD64と分かります。ちなみにLunaは実装されておらず、Classicモードのみになります。調べてみると、WinXP-AMD64では現状Themesサービス自体が存在しません。Lunaに関してはあのださくて使いにくいインタフェースは不要であり、いつもサービスごとオフにしているので、個人的にはあってもなくてもかまわないどうでもよい話です。

ここからはWinXP-AMD64のスクリーンショットをいくつか見ていきましょう。まず、マイコンピュータのプロパティを開くと以下のような状態になります(Registered toの項目は念のため消してあります)

例によって、Opteron240と表示されています。そのCPU表記の下にPhysical Address Extension(PAE)の表記が見えます。

スタートメニューは以下のような感じです。スタートメニューの左にあるバージョン表記がWindowsXP 64-Bit Edition Version 2003になっています。インストールされているソフトはあまり気にしないでください（笑）IEの32bit版と64bit版の２つが並んでいます。どう違うんだろうか？使ってみたものの差がわかりませんでした。64bit版はWindowを開きまくっても大丈夫なんだろうか。。

インストールドライブのディレクトリ構成です。見ていて気づくかも知れませんが、\Program Filesと\Program Files(x86)と２つProgram Filesのディレクトリがあります。x86がついたディレクトリはIA-32アプリケーションがインストールされるディレクトリを想定していると考えられ、実際手持ちのソフトをインストールしようとすると、インストーラによりますが多くの場合x86の方にインストール先を指定します。x86がついていない方のディレクトリは、64bit対応アプリケーションがインストールされるディレクトリを想定していると思われます。

次はデバイスマネージャです。縦にものすごく長くなったので、1枚の画像で見られるように編集しています。

Computerが「ACPI x86-64-based PC」になっています。AMD-8111/8131/8151のチップセットドライバの他、AC'97 Codec(AD1981b)やASC-29160といったデバイスのドライバもOS標準で入っています。FireGL X1のドライバもOSが標準で持っているのには驚きました。何やら「PCI standard host CPU bridge」が９個並んでいたり、「PCI standard PCI-to-PCI bridge」が３個あったり、なんだか妙なシステムデバイス一覧になっています。？になっているRAID ControllerはオンボードのSerialATAコントローラです。

おまけですが、Windows Media Player6.4も入っていました。Microsoftって、案外こういうところの面倒見がよかったりします。これくらいOS全体の面倒見がよかったらなあ。。

さて、次はソフトウェアの動作状況を見ていきましょう。Opteron/Athlon64の売りは64bit拡張されながら32bitソフトとの完全互換性があることであり、64it OSであるWinXP-AMD64上でこれまでの32bit Windows用ソフトがどの程度動作するのかというのは、AMD64システムのユーザやAMD64システムへの移行を考えているユーザにとって最大の関心事であります。というわけで、いろいろソフトウェアを走らせてみて、その結果を以下の表にまとめました。なお、いずれもざっと動作させての判断であり、長時間連続して動作させたわけではないため、不都合が起こる可能性があることをあらかじめ断っておきます。

ソフトウェアタイトル 動作状況
2Dゲーム
Glove On Fight（渡辺製作所） フルスクリーンは所見なし、Windowモードは起動せず
Queen Of Heart '99SE（渡辺製作所） 所見なし
Party's Breaker（渡辺製作所） 所見なし
Melty Blood（渡辺製作所） 所見なし
えあふり（渡辺製作所） 所見なし
Eternal Fighter Zero Bad Moon Edition（黄昏フロンティア） 起動せず（GeForceFXに変えたら所見なし）
こみっくパーティーDCE（Aquaplus） 所見なし
ToHeartPSE（Aquaplus） 所見なし
はじめてのおるすばん（Zero/Visual Art's） 所見なし
Fate/Stay Night（TYPE-MOON） 起動せず
月姫（TYPE-MOON） 所見なし
月は東に日は西に（オーガスト） 効果音がいきなり「ぶーーー」となることがある以外は所見なし（サウンドドライバの問題？）
君が望む永遠 DVD Specification（Age） 所見なし
ONE 輝く季節へ フルボイス版（NEXTON） 起動せず
Sorcerian Original（Falcom） 所見なし
バトルへーちょ(リトルスペースソフトウェア） 所見なし
3D系
Angelic Vale（エレクトロニック・アーツ） 所見なし
Ys6（Falcom） 起動せず
ソニックアドベンチャーDX（SEGA） 所見なし
Chaos Legion（CAPCOM） 所見なし
QuakeIIIArena（id Software） 起動せず（OpenGLエラーが出る；GeForceFXでも同様）
Tenerezza（Aquaplus） 所見なし
LineageII（NCSOFT） 所見なし
FINAL FANTASY XI Official BenchMark 2（Square-Enix） 所見なし
ゆめりあベンチ（NAMCO） 所見なし
3DMARK2001SE（MadOnion） 所見なし
3DMARK03-Build330（FutureMark） 所見なし
アプリケーション、ユーティリティ、他
ファイルマネージャ WindowsNT4.0（Microsoft） 所見なし
Office2000（Microsoft） 所見なし
Photoshop6.0（Adobe Systems） 所見なし
秀丸エディタ V3.19（サイトー企画） 所見なし
Acrobat Reader5.0（Adobe Systems） 所見なし
B's Recorder Gold 7 BASIC（BHA） ドライブを認識せず
Sleipnir V1.42（BearFactory） 所見なし
Japanist2003（富士通/富士通ミドルウェア） 所見なし
PowerDVD XP（Cyberlink） 所見なし（最新パッチを当てる必要あり）

こうしてみると不動作ソフトはわずか５つで、ベータ版ながら32bitソフトとの互換性の高さが伺えます。ただB's Recorderが使えなかったのはちと痛かったかも。。ごく個人的なことをいうと、ファイルマネージャが問題なく動作するのは大きな収穫です。普段のファイラーがファイルマネージャなので、これが動作しないと深刻な問題になります。また、不動作ソフトについては、互換モードをいろいろ試してみても起動しませんでした。
この「ソフトウェア互換リスト」については、今回だけに終わらせず逐次アップデートをしていこうと考えています。「独り言」の中で見やすい位置にリンクをおいておきますので、気がついたときに見るとリストが更新されているかもしれません（更新したときはトップページに通知を出しますが）

ところでOSそのものについてですが、ベータ版の割には結構レベルが高い出来で、使っている限りでは青画面も出ず安定していて、完成度は結構高いのではないかと思いました。ただデバイスドライバが問題で、OS自身が持っているドライバは多いものの、逆に言うとOSがドライバを持っていないデバイスはアウトです。あとはセキュリティホールもほったらかしで、Windows Updateも途中で止まってしまい行えません。特にセキュリティホールの部分が気がかりですが、Windows Updateも含めてベータ版の評価用なので仕方ありません。ほかにはMedia Playerではスキンが標準では全然入っていません。Classicすら入ってない状態です。

ほかには、WinXP-AMD64で認識可能な最大メモリは32GB、対応言語は英語と日本語、正式版の発売は今年半ば以降とされています。64bit版の割に認識可能最大メモリが少ない気がしますが、WinXP-AMD64が想定しているシステムはNocona（XeonのFSB800MHz/IA-32e対応版）やOpteronの２プロセッサ、DIMM×４〜８のマザーボードと考えられ、この程度のシステムならメモリを搭載してもせいぜい16GBであるため、特に問題にはならないのかもしれません。そもそも32bitアプリケーション自体が4GB以上をアドレッシングできないので、32GBというメモリ数が足りなくなる場面はそうそうないんじゃないでしょうか。

いかがだったでしょうか？今回はこれくらいです。次回はベンチマークを中心にしていきたいと思います（ってその前に、WinXP-AMD64のベータ版ってベンチマーク結果公開してよかったのかなあ。Microsoftのページには特に何も書いてなかったんだが。。もうちょっと調べてみっかあ。）

[3]超どうでもいい余談

以下は超余談なので読まなくてもかまいません（なら書くなって？）

Tyanといえば最近身内の周りでTyanマザー使いが増えてきて、使っていたり所有（放置）してたりするマザーを列挙してみると、

・TigerMP(AMD-762/766)
・TigerMPX(AMD-762/768)
・ThunderK7(AMD-762/766)
・ThunderHE-SL(ServerSetIIIHE-SL)
・ThunderK8W(AMD-8111/8131/8151) ← わしの例
・Thunderi860(860)
・Thunderi7500(E7500)
・Thunder2500(ServerSetIIIHE)
・Thunderbolt-L(440GX)
・ThunderII(440LX)
・Tigeri7500(E7500)
・Thunderi840(840+ICH2)
・Trinity400(ApolloPro133A)
・・・

と明らかに「異常」な状態です。普通の組み立てユーザが集まると大抵はASUSとかGigabyteとかAOpenとかの大手どころで固まるものですが、私の身の回りで言うとTyanとかSupermicroとかIntelとかそんなのばっかりです。特にTyanはその挙動不審さやマザーのスペックから身内では「変態an」なんて呼ばれてたり、Tyan使い＝変態という図式が成り立っていたり、「行くところまで行った」強化をしてたり（ThunderHE-SLに下駄履かせてPenIII-S1.4Dualとか）、メインがTigerMPでサブがThunderK7とか（普通逆だろう）、Trinityマンセーとか言ってるのがいたり、ぶっちゃけた話まともな組み立てユーザが周りにいません。しまいには「Thunderコンプ」なんて訳のわからんスローガン（？）が出てきたりして、もういろんな意味でどうしようもない状態です（笑）

もっとも、わし自身Tyanマザーデビューは440FXでSlot1Dual、SIMM×８というスペックのTAHOE-IIというもので、これがまた怪しい挙動してたので（FDDが見えなくなったりとか）あんまり人のことをいえないんだが・・・ThunderK7もThunderK8Wも持ってるし、これほど変態ぞろいのユーザの集まりって珍しいのか大漏れなのか（意味不明）日本でこれだけTyanマザーが集まってるところはそうそうないかも。

以上しょうもない身内話。傍から見ると「どうでもいいっしょ」みたいな。

2004年1月11日

特定ユーザ御用達

あけましておめでとうございます。本年も当領域をごひいきのほどよろしくお願いいたします。

と型通りの挨拶はこれくらいにして、MatroxのMillenniumP650（以下P650）を借りることができたので、今更ではありますがこのボードの性能評価を行ってみたいと思います。

とりあえず念のため簡単に解説をすると、P650はParhelia-LXをグラフィックチップとして搭載し、これはParhelia-512の性能を削った廉価版になります。Parhelia-512は512bitプロセッサでメモリバス256bitでしたが、Parhelia-LXは256bitプロセッサでメモリバス128bitになります。丁度Parhelia-512を半分にしたような形ですが、唯一Parhelia-512より優れているのはAGP8Xに対応している点です。といってもその他の部分が遅いので、たいしたAdvantageにはなりません。
Parhelia、P750、P650それぞれの差を表にすると以下のようになります。

　 Parheila P750 P650
グラフィックチップ Parhelia-512 Parhelia-LX Parhelia-LX
プロセッサ語長 512bit 256bit 256bit
メモリバス 256bit 128bit 128bit
画像メモリ 128/256MB 64MB 64MB
画像出力先数 ３画面 ３画面 ２画面
コアクロック/
メモリクロック		 220MHz/DDR550MHz
200MHz/DDR500MHz(FR/256MB版)		 (非公開) (非公開)
インタフェース AGP4X、64bit/66MHzPCI AGP8X AGP8X

以下はWCPUIDにてAGPの動作状態をとったものです。Parheliaの場合、AGPは4Xモードで動作しています。

> それに対して、P650はAGP8Xモードで動作しています。

なお、Fast Writeはいずれでも切れていますが、これはドライバでOffにされており実際の性能には影響ありません。途中の版数まではFast WriteはONだったのですが、ドライバ版数1.04あたりからデフォルト値がoffになっています。

インタフェース回りはこんなもんにして、使用感などに移っていきたいと思います（お、今回は前振りが短いぞ。）

[1]GDI関連

画質についてはLL-T2015-H(SHARP)を使っているため詳しい言及はできませんが、発色の傾向はParheliaと同じです。まあ当たり前といえば当たり前な感じです。あと、アナログ接続時のシャープさについてはP650の方が劣っている感じがします。P650はこのあたりの設計もけちっているのかも知れません。

描画速度については、スクロール速度が明らかにParheliaより劣ります。1280×1024の32bitカラーモード程度で、Internet Explorerでマウスのホイールスクロールについてこられず、あとから追従するような重い動作をします。Parheliaだと軽快についてくるので、すでにこの段階で性能差がついていることになります。正直、メモリバスが128bitのボードの2D速度とは思えません。1600×1200の32bitカラーモードにするとさらにスクロール速度が遅くなり、ちょっと常用するのには苦しくなります。

次に3D性能を見てみることにします。比較対象はParheliaの128MB版とし、どれくらいの性能差があるのかを簡単に見ていきましょう。評価環境は以下の通りです。

マザーボード Rioworks PDPEA-WOR(Intel E7505)
プロセッサ Xeon2.4GHzDual(FSB133MHz×18、Hyper-Threading ON)
メモリ PC2100 CL=2.5 DDR-SDRAM 512MB×4=2GB
HDD 富士通 MAP3367NP/MAH3091MP/MAJ3091MP+日立 DK32CJ-18MC+
Seagate ST3120026A/ST380023A
OS WindowsXP Professional+ServicePack1
DirectXバージョン 9.0b

Parhelia/P650のドライバ版数は以下の通りです。

ドライバ版数 1.05.01.008

※FAA(Fragment Anti-Aliasing) 16xモードでの測定は行いません(どうせP650でぼろぼろの成績になるのが目に見えているのと、FSAAの方が一般的なので。。。)

[2]3DMARK2001SE Build330

さすがにベンチマークとしては古くなっていますが、今までの結果と比較できるように取っておきます。

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia 9379 8013 6137 4721
P650 5166 3862 2638 1899

P650は標準解像度の1024×768でさえ4000を超えられない体たらくです。もともと3Dはあまり速くないのですが、これだと大体成績としてはGeForce2MXくらい？

[3]3DMARK03

現在主流のDirectX9ベースのベンチマークです。Matroxのボードではもともと悲惨な値しか出ないので、標準解像度のみで測定しました。

解像度 1024×768
Parhelia 893
P650 477

P650はParheliaの大体半分程度の結果になっています。でもこの結果ではいずれも話になりません。

[4]NovaLogic Comanche4 Bench

今回から初めて使う3Dベンチマークです。DirectX8.1ベースで、結構メジャーな3Dベンチなので、うちでも採用することにしました。32bit colorでの測定です。

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia 39.84 37.58 32.41 26.16
P650 27.71 20.36 17.13 12.66

どっちもあんまり良い成績は出していませんが、Parheliaのほうは1280×1024まではなんとか30fpsを維持しています。解像度を上げても平均フレームレートが思ったより落ち込まないのは、このボードの底力なのか、それとも単に伸びないだけなのか。P650は見るべくもありません。

[5]Unreal Tournament2003

\UT2003\System\Benchmark.exeを実行するとベンチマークモードになり、Flyby(キャラが出ないマップ移動のみ)とBotmatch(複数キャラが登場するマルチプレイ)の平均フレームレートの計測ができます。これも3D系ベンチマークではよく使われているので、うちでも採用することにしました。

解像度 800×600 1024×768 1280×960 1600×1200
Parhelia Flyby Botmatch Flyby Botmatch Flyby Botmatch Flyby Botmatch
147.71 56.14 113.04 54.07 76.95 46.43 52.16 35.92
P650 Flyby Botmatch Flyby Botmatch Flyby Botmatch Flyby Botmatch
70.55 42.73 46.84 32.33 31.61 23.16 21.13 15.99

正直、どちらもあまり芳しい成績は残していません。Parheliaは平均フレームレートの落ち込みが少な目な代わりにトップスピードも伸びないのですが、そのトップスピードが低いとゲームとしては厳しいものがあります。
そういう点で、P650はかなりお寒い成績ですねえ。

[6]QuakeIIIArena

これも長らくベンチマーク用に使われています。コマンドラインでdemo demo001[Return]として、以下の条件でベンチマークを測定しました。

GL Driver:default
GL Extensions:ON
Color Depth:32bit
Lighting:vertex
geometric detail:high
texture detail:max
texture quality:32bit
texture filter:bilinear

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia 221.5 180.2 116.1 81.1
P650 126.3 82.1 50.5 33.9

いずれもまずまずの成績です。さすがにQuakeIIIもベンチマークとしては軽い部類になってしまいましたが、解像度をあげていくとP650は平均フレームレートを60fps割って苦しくなってきます。Parheliaだと高解像度でも問題なく遊べそうです。

[7]SPEC Viewperf 7.0

これも今回から3D系ベンチマークとして追加しました。OpenGLのベンチマークで、結構重い部類に入ります。実際の業務用OpenGLアプリケーション(3D Studio MAX, DesignReview, Data Explorer, Lightscape, Pro/Engineer, Unigraphics)のグラフィック処理性能を測定するベンチマークになっています。

各項目とアプリケーションの対応は以下のとおりです。なお、測定に使用した解像度は1280×1024-32bit Colorです。

3dsmax-01 - 3D Studio MAX
drv-08 - DesignReview
dx-07 - Data Explorer
light-05 - Lightscape
proe-01 - Pro/Engineer
ugs-01 - Unigraphics

Weighted Geometric Mean 3dsmax-01 drv-08 dx-07 light-05 proe-01 ugs-01
Parhelia 8.239 14.72 33.72 8.450 5.577 5.576
P650 5.025 13.80 31.31 7.724 2.643 4.107

Parhelia、P650いずれも動作ががくがくなものが多く、このボードでViewperfは厳しいのかなと思いました。GeForceFX5800Ultraでもがくがくなものがあります。この手のOpenGLベンチマークは、そういった3D OpenGLアプリケーションに性能が振ってあるOpenGL専業ボード(Wildcat4 7110やWildcatVP、QuadroFXなど)だと多くの場合ぐりぐり動くのですが、その手のボードは手元にないのでどれほどぐりぐりなのかはちょっとわからないです(VisualizeFX4は持ってるがこれじゃ世代が古すぎるしなあ。。。)

[8]夏海ベンチ

過去の結果もあるため、これも測定結果に入れています。32bit Color、Pure HardwareT&Lで測定しています。

解像度 800×600 1024×768 1280×1024 1600×1200
Parhelia 7939 7871 7787 6498
P650 7657 5975 4310 3171

Parheliaは解像度を上げていってもほとんど成績が下がらないのですが、P650だとがくっと下がっていきます。画像メモリ数とメモリバス幅の差が出たのでしょう。1600×1200だと丁度半分程度の成績になってます。

[9]Final Fantasy XI Benchmark V2.0

V1.1からがらっとグラフィックが変わり、解像度もLow(640×480)とHigh(1024×768)の２つを選ぶことができます。ただ、V1.1から存在するマルチプロセッサ環境で成績が低下する症状は相変わらず直っていないので、今回の結果については参考程度です。

解像度 Low High
Parhelia 3688 2709
P650 2689 1708

本来ならもっといい値が出るはずなんですが、現在Singleプロセッサマシンがノートしかないためなんともいえません。875PMaster-FA(MS-9127, MSI)を安値で調達したので、これを組み立てたら改めてとってみたいと思います。

[10]N-Bench3.0

AMDが開発した、例によってAMDシステムに有利な成績が出るN-Benchの最新版です。標準設定で測定しました。

　 Overall
Parhelia 1461
P650 1381

これまたいいのか悪いのかよくわかりません。ちなみにAthlonMP2400+Dual+GeForceFX5800Ultra(マザーボード:Tyan ThunderK7)の環境で測定すると、いきなり2000くらいをたたき出します。

[11]Tenebench

AquaplusのWindows/X-Box用ゲーム「テネレッツァ」のWin用ベンチマークです。1300以上のスコアならゲームが快適に遊べる目安となっていますが、今回これを3D用ベンチマークとして使ってみることにしました。

Parhelia 2820
P650 2709

面白いことにさほど成績に差がありません。すなわち、P650ならテネレッツァは問題なく遊べるのであろうということになりますが、これはむしろゲームのほうが飽和しているんじゃないかという気もします。
さらに面白いことに、このベンチマークはGeForceFX5800Ultraで行うと1900程度しか出ません。Parheliaよりずっと高速なGeForceFX5800Ultraでこの成績はにわかには信じられませんが、ちょっと不思議な現象ではあります。テネレッツァって実は推奨グラフィックボードがParhelia？（なんかギャルゲーメーカらしい？）

[12]総評

いかがだったでしょうか？いろいろとベンチマークをとって3D性能を見てきましたが、P650の3D性能は大体Parheliaの半分以下ということが見て取れます。もともと3D性能を重視していないボードなのでたいした成績が出なくても別段驚かないのですが、昨今のグラフィックボードの3D性能としては明らかに遅いです。

Matroxは2Dの速度や画質が売りですが、いまどき1280×1024のフルカラー程度でスクロール速度が落ちてしまうのはちょっといただけないです。Matroxファンでもない限りP650を積極的に選ぶ理由は、ファンの一人である私から見ても正直あまりありません。デジタル接続のマルチモニタも最近はMatrox以外からDVI-I×2を搭載したボードも増えてきて、利点としては薄れてきています。

P650を積極的に選ぶ理由があるユーザを逆に考えてみると、現在G400やG550を使っていて2Dしか使わず、そろそろ違うボードに乗り換えたいがMatroxがよいというユーザが対象になるんじゃないかと思います。G400やG550からの乗り換えなら十分な性能を得られます。また、２万円以下の価格帯にParheliaの画質や機能を持ったボードが降りてきたことも大きな意義です。

ぶっちゃけたことをいうと、結局のところ1024×768程度の解像度でエロゲーメインのユーザにしか受けなさそうです（待て）いや本当の話、それくらいしか思い浮かびません。エロゲーユーザは発色がよくてある程度2Dが速いボードを求め、3D性能なんて知ったこっちゃない。そして高いボードは買えないので（そんな金があったらゲームにまわす）まあせいぜい出して２万円以下ということになると、１月現在で新品18000円かそれ以下で売られているP650は適任（？）ということになります。

実際のところエロゲーユーザにはそれなりに売れているようで（そしてエロゲーメインユーザにはMatrox派が多い）、なんだかなあという感じです。個人的な主観を言うと、エロゲーならRage128系やRadeon256のほうが赤が綺麗に出る、すなわち肌色も綺麗に出ていいんですけどねえ（笑）

余談ですが、Radeon256以降のATiのグラフィックボードはRadeon8500は旧TsengLabs、Radeon9000番台のR300系はArtXが担当したためか、画質特性ががらっと変わり、一転して青が強めに出る絵になってしまいました。赤が強く出るATiらしい絵つくりはRadeon256で終わり、肌色を重視する（まだいうか）エロゲー用には以前ほど向かなくなりました。

ところで、Matroxは今年何やら隠し玉を開発しているようなことを示唆しているのですが、はたして真実や如何に。PCI Express x16に合わせて出してくるものと思われますがさてさて。

画像多重

今更ながら、うちでもマルチモニタを使用してみました。プライマリモニタがLL-T2015-H(SHARP)、セカンダリモニタがFlexScan L675(ナナオ)です。使用したグラフィックボードはP650との比較にも使用したParheliaで、DVI×2の出力が可能です。

・・・が、ここで問題が。今回使用するLCDは、それぞれの画面のインチ数も最大表示解像度も違います。LL-T2015-Hが1600×1200、L675が1280×1024です。Parheliaにはデジタル接続の２画面モニタの場合、最大解像度が低いLCDに合わせられるという仕様があります。すなわち、今回の組み合わせだとLL-T2015-Hの解像度がL675に引っ張られ、1280×1024の2画面になってしまいます。これはいただけない話で、デジタル接続で1600×1200+1280×1024の解像度でのマルチモニタを使えないのは非常に不便です。

とりあえず1280×1024の２画面で使ってみましたが、これは確かに便利です。片方の画面を見ながらもう片方の作業ができるので、作業効率が大幅にあがります。セカンダリモニタにチャットの画面を表示して、プライマリモニタでフルスクリーンでゲームをやるという芸当も可能です。
しかし、1600×1200表示可能なLCDを1280×1024で使うのはなんとももったいない話であり、そもそも縦のドット数が減るので、便利さを惜しみつつ我が家でのマルチモニタは現状では諦めることにしました。もう１台1600×1200表示可能なLCDがあればいいのですが、置き場所も予算もないのでしょうがありません。

余談ですが、LCDの選び方というのは下手するとCRT以上に難しく、こだわりだすと値段も要求もきりがなくなってきます。以前のSamsungなど海外勢のLCDはひどいものばかりでしたが、最近は彼らも企業努力をして、それなりの表示品位があるパネルを投入してきていてます。多くの一般的なユーザはSamsungや奇美などの台湾系メーカのパネルが搭載された、15インチ程度で1024×768表示か17インチで1280×1024表示、Dsub15のアナログ接続の安価なもので満足するのですが、そうでない人は予算との戦いになります。

LCDを選ぶにあたっては、おおむね以下の点が重視されるんじゃないかと思います。

1. パネルメーカ（分かっていれば、国内か海外か）
2. パネルの表示色（1677万色フルカラー表示か10bitガンマ補正があるか）
3. 応答速度（ゲームやったり動画を見たりするなど高速重視か、静止画重視で高速でなくてもよいか）
4. 入力系統（DVI-I+D-Sub15か、DVI-I×2か、１系統か３系統か）
5. 出力可能な最大解像度（1600×1200か1280×1024でもよいか）

しかし、大抵の場合は1〜5のどれかひとつか、2つ以上を諦めねばならなくなります。理想としては国産パネル・10bitガンマ補正・応答速度20ms以下・DVI-I×2・1600×1200表示となるのですが、これを満たすLCDは現状見当たりません。DVI-I×2を諦めればFlexScan L885（ナナオ）、DVI-I×2と応答速度を諦めるならLL-T2020（シャープ）、10bitガンマ補正まで諦めるならVL-200VH（富士通）なんてのがあるんですが、どのみちどこかで妥協しなければならなくなります。

ちなみに私が先日購入したLL-T2015-Hは1と10bitガンマ補正と4を諦めたもので、パネルはLG Philips（LM201U04？コントラスト比が仕様では500:1になってるが）、入力系統はDVI-I+D-Sub15（専用分岐ケーブルによりD-Sub15×２+DVI-Iの合計３系統に拡張可能）になります。ゲームをやることをまず念頭において、1600×1200表示可能で高速応答のものを選んだらこれになりました。

このパネルは絵が派手めに出るのが特徴で、輝度を上げると目に刺さる感じがします。出力モードに標準・オフィス・sRGB・あざやかの4種類ありますが、もっとも絵が派手に出るあざやかモードにすると色温度が高め（＝青が強くなる）の絵になり、ちょっと目に厳しいです。現在は暗めで低消費電力動作になるオフィスモードで使っていますが、これだと丁度よくなります。
正直、この値段のクラスのLCDにしてはやや品がない絵かなと思います。パネルも海外だし、表示品位でいうとまあ中の上〜中の中の間くらいでしょうか？表示品位に関しては、L675のほうが落ち着いていて上品であると感じました。L675は出た当時30万円台の価格がついていたナナオの当時の上位機種で、パネルも国産の日立ディスプレイデバイシズで表示品位は上の部類に入るんじゃないかと思います。映す絵については、LL-T2015よりL675のほうが好みですねえ。

応答速度16msは以前のメインだったSDM-S71（SONY）が20ms、L675が50msだったのでそれよりは高速なのですが、液晶という技術の都合上一部の動きが激しいゲームに関しては残像や描画遅れが出たりして、やはりCRTに劣ります。このあたりはLCDの宿命ですが、大抵のゲームで問題なく遊べるのでこれでよしとしています。ちなみにこの液晶の応答速度はメーカによって測定条件が違ったりするので、これを絶対視することはできません。高速だからといって大きな期待は禁物です。使った感じでは、20msや16msになると大体CRT感覚で使えるのですが、動きの激しい3Dゲームには厳しいものもあります。

ところで、LL-T2015と同じパネルを搭載し、S端子入力や回転できるスタンドがつくなど機能拡張され、なおかつ5万円程度安いUltraSharp 2001FP HAS（DELL）なんてのが出てきてしまい、LL-T2015は選ぶ理由が正直シャープであるということ以外あまりなくなってしまいました。これが出たおかげで、LL-T2015購入者は「負け組」なんて扱いをしているところもありますが（２ｃｈなど）、とりあえず現状は概ね満足しているので別にいいかという感じです。点をつけるなら、100点満点で70点程度？

LCDの上位機種はまだまだ高い買い物なので、評判を参考にしながらそれにとらわれず、店頭で映す絵を見て、妥協点も含めて納得した上で買うのが良いかと思います。ってなんか本題から明らかにずれてLCDの話題になってますが、細かいことは気にしないように。。

曲芸商法

最近のゲーム販売にはやたらと「初回限定」や「初回特典」などといったいわゆる初回もの商法が多くなっていて、みもふたもない言い方をすればまるで注目されていない作品でも初回限定をかます始末です。

この手の初回限定の類はエロゲーのお家芸（？）で、下手するとエロゲー全体の８割以上が初回版と通常版の両方を出しているんじゃないかというくらいです。一部作品の初回版にはとんでもないプレミア価格がついていたりします（ONEとかみずいろとか）

初回限定の流れは一般PCゲーにも浸透してきていて、Falcomなんかは真っ先に（？）取り組んでいたりします。そんな中、Falcomオリジナルの最新作品であるYs6はひどいもんでした。あとからシステムなどが変更されたYs6通常版を出してきて、しかも最初に出した版にはその変更に対応したパッチなどは存在しません。これってその機能が欲しければ、また新たなるパッケージ版を買えってこと？なんか馬鹿にした話。パッチで対応できるレベルなら、それを公開しろってところ。というか、Falcomはドラゴンスレイヤーシリーズを出していたころのかつての勢いや輝きを明らかに失っていて、リメイクの濫造をしだしたころから初回限定の類も手がけるようになりました。人材もあれこれ流出してて、なんともやばい状態です。

Falcomに限らず、最近はコンシューマゲームもPCゲーほどひどくはないにしても似たような状況で、かのコンシューマゲーム界の大御所任天堂すらやりだす始末です。結局初回限定で「釣ろう」という考えで、商売としては確かに「あり」なのですが、なんだか作品の中身だけで勝負しようという心構えが明らかに減退しているんじゃないかという気がします。中身に自信がないから、初回限定で何とか制作費を回収しようなんて考えが透けて見えるところも数多くあります（実際は回収し切れてないところがほとんどじゃないか？）そもそも、初回限定つけたところで、再販かけるほど売れる作品がほとんどないのが現実です。

結局のところ、初回限定つけてもつけなくても、中身がよい作品は売れて、そうでないものは淘汰されるのですが、そういった認識がメーカ側に欠けているような気がしてなりません。小手先だけじゃユーザをごまかせないのは前からわかりきっていたことなんですが。。

この現状は日本人の「〜限定」という言葉に弱いところをついたところからこうなってしまったのですが、何かと初回版と通常版両方が出るのには正直辟易してしまいます（別にわしは両方回収しているわけじゃないぞえ）「中身に自信がないのか？」ともつい考えてみたくもなります。中身といえば、同人作品とはいえ中身一本勝負だったTYPE-MOONの月姫シリーズは非常に良作だったのですが、そのTYPE-MOONも商業世界に参入してからはなんか怪しくなっています。

まあでも、初回版と通常版で値段が変わらないのなら「どうせなら初回版にすっか」と選んでしまうのもまた現実で、この辺りは日本人の悲しい性ではあります。しかし以前は初回なんたらってのはなかったのに、誰がこんな発想を持ち込んだんだろうか。コナミとかあの辺り？

まとまりもないし、なんか適当内容だけどこんなもんで。

2003年11月24日

ここ数カ月、本業がえらい修羅場でここも丁度２カ月放置状態だったんですが、ようやく落ち着いてきたので更新でも行おうと思います。

尽きることなき物欲

ここ最近面白いハードウェアがあまり出ないのですが、そんな中でも「これは欲しい」と思う物を拾いだしてそれに対する考えでも述べようと思います。まあ、ただの物欲談義ですな（笑）

[1]ThunderK8W(S2885、Tyan)

AMD-8151/8131/8111フル装備のTyanのOpteron用マザーボードです。Tyanはこれより前にThunderK8SというServer用途のOpteron用マザーを出してましたが、今回はAMD-8151(AGP3.0 Graphics Tunnel)を搭載し、IA-WSに使えるようにしました。
このマザーはThunderの名にふさわしく、DIMM×8、AGPPro110、PCI-X/133MHz×2、PCI-X/100MHz×2、32bitPCI×1、SerialATAポート×4、IEEE1394aオンボードという豪華な構成です。メモリはDDR400/333/266/200のECC-Registered DDR-SDRAMに対応し、16GBまで搭載できます。

このマザーはこの構成の割には結構安く、先日(11/22)見てきた限りでは76800円という値段でした。それまでのTyanのAMDプラットフォーム最高峰だったThunderK7が電源付で11万円近い価格がついていたことを考えると、意外に安いと感じました。

DIMM×8でAGP付のマザーというのはかなり久しぶりなのではないかと思います。RIMM×8でAGP付なら８６０マザー群がありますが、DIMM×8でAGP付に限るとThunder2500(ServerSetIIIHE)以来でしょうか？

しかし、DIMMスロットが8本あっても、OSが認識できる以上のメモリを挿しても意味がありません。4GB以上のアドレッシングができるOSとなると、Win2000Advanced Server以上かWinServer2003 Enterprise Edition以上、AMD64版Linuxになります。あとはWinXPのAMD64版になりますが、これは来年半ば以降に出荷が伸びてしまいました。というわけで、現状Windowsプラットフォームでメモリ4GB以上を扱うのはかなり難しいことになります。他にはAMD64版Solarisなんてのもあってこれから開発するそうですが、これは一般ユーザのクライアントOSにはどう考えてもなりえません。

あとは今からこんなことをいうのもなんですがAGPというのも不安要素です。すでにあちこちに情報が載っていますが、来年半ば以降にintelプラットフォームはPCI Expressに移行し、手始めにAGPをPCI Express x16に置き換えることになります。その他VIA、SiS、ALi、nVIDIA、ATi各社も後追いでPCI Express x16搭載チップセットを発表していきますが(AMDとServerworksは不明だが出すと思う)、そうなるとPCI Express対応のグラフィックボードが次々と発売されることになります。

すると問題になるのは「いつまでAGP対応のボードが出続けるのか？」ということで、実際のところどうなのかが気になります。
ここで振り返ってみると、AGP搭載の440LXや440BXマザーが出てから、しばらくは各社ともPCI版とAGP版の両方のボードが出していましたが、440BXの登場から２年くらい経って、PCI版グラフィックボードの数はかなり減りました。ここで現代に戻ると、AGPがついたマザーは世の中に相当数存在し(全体の９割以上だと思う)、一気にAGP版のボードをやめることはどう考えても無理な話です。なので、PCI Express x16が登場してから少なくとも１年以上はAGP版も出続けるのではないかと思っていますが、どうなるのか気になる話であります。

ThunderK8Wのようなハイエンドマザーを買うとなると、使用期間はある程度長いspanを考えることになるため、AGPというのはこの時期では結構微妙なところなのかなあ、と思います。グラフィックボードも含めて長く使うことを考えると、来年半ばに出る予定のPCI Express世代のE7710(Lindenhurst)やE7515(Tumwater)あたりで、今メインのFSB533MHzのXeon+E7505システムからFSB800MHzのXeon+E7515システムに乗り換えたほうがよさそうです。しかしThunderK8Wはどうしても使ってみたいのもまた事実。。。

あとAMD-8111で気になったのはいまだにUSB1.1であることで、USB2.0が当たり前の時代に1.1とは、AMDはこのあたりはどう考えているんでしょうか？IAサーバやIA-WSにUSB2.0なんぞいらないって？というよりも、AMD-768のUSBバグ騒ぎに懲りて無理をせず、USB2.0はUSB2.0ボードを挿してくれってことなんかも。このあたりはAMDのつめが甘いところかなあと思います。

[2]P4S13G(ASUS)

P4S13GはSiSの事実上初となるRDRAMチップセットSiSR659を搭載したマザーで(SiSR658はFSB533MHz止まりな上製品が出なかった)、SiS、ASUS、Rambus、Samsungの４社協同で開発した成果物になります。担当を想像するなら、チップセット全体の仕様検討と取りまとめおよび設計：SiS、メモリインタフェースの技術・仕様提供と設計支援：Rambus、プリント板(マザーボード)の設計：ASUS、メモリモジュールの設計製造：Samsungといったところでしょうか？

このSiSR659を搭載したP4S13GはFSB800MHzとAGP8Xに対応、32bit RIMM×2を搭載し、PC1200のRDRAMの4ch動作(！)に対応します。メモリ帯域は1200MHz(データレート)×64bit/8=9.6GB/sに達し、875/865シリーズのDDR400-2ch動作の6.4GB/sを上回ります。32bit RIMM×2で4chということは、PC1200の16bitを1chとして64bitで4個束ねて4chということになると思われます。すなわち、メモリは32bit RIMMの２枚一組？

速度としては875Pを上回るようで、マザーボードが出た場合Pentium4プラットフォーム最速になりそうです。８２０/８４０から８５０EまでRDRAMを愛好し世話になった身としては、SiSとはいえこのマザーボードを買わない理由はどこにも見当たらず、入手し次第ここでレビューを行います(行う予定、ではなく断定。)

しかしSiSR659を搭載したマザーは多分ASUS以外から発売されず、PC1200のRDRAMもどれほど出回るか不明で(マザーボードに512MB分くらいバンドルが有力？)、Socket478版Prescottへの対応もどうなってるのか分かりません。不安要素もいろいろありますが(SiSって時点ですでに不安要素だなんて指摘も)、ともかく来月に出るようなのでダイブせねばなりません。あとはP4S13Gの比較対象をどうするかですが、とりあえずD865GBF(intel)でいいかなあ。

[3]GeForceFX5950Ultra

理由はファンがGeForceFX5800Ultraのときのような「お化けファン」っていうだけ（待て）5800Ultraのときは熱を外気に排出していましたが、5950Ultraでは逆に吸気になっています。装置内部の熱が増えそうですが、これって結構やばいんじゃないかしら。

[4]LL-T2015(シャープ)

20.1インチUXGA表示対応、輝度250cd/m2、コントラスト比400:1、視野角上下左右176度というシャープのLCDです。特筆すべき点はこのサイズにして応答速度が16msであることで、これで動きの激しい3Dゲームも問題なく遊べそうです。今のSDM-S71(応答速度20ms)でも問題ないので、それより応答速度が速いことからゲームに関しては問題ないでしょう(むしろそれを狙っている)

面白いことに、このLL-T2015はいわゆる98DOS画面(640×400-24.8kHz/31.5kHz)も表示できます。よって、20インチのLCD大画面に"How Many Files(0-15)?"を表示することも可能と思われます。シャープの配慮(？)に喝采するとともに、このLCDは実は購入を強く考えています。最近、SXGAでも狭くなってきました。。

腐った林檎

Intel PRO/1000MT Desktop Adapterの偽物混入騒ぎが起こっていますが、リテール品でもバルク品でも混在しているようで、信頼を売り物にしていたIntelにしてはとんでもない大失態です。一体なにがあったんでしょうか？デッドコピー品で一儲けしようというのがいるのか、Intelの製造ラインの誰かの犯行なのかは分かりませんが、とにかく真相究明が待たれます。
販売店としてもショックな話ですが、その対応は店舗によって善し悪しだそうで。Broadcomは諸事情で嫌いになりつつあり、Intelがこれだとすると、Gigabit Ethernetボードはどこのを買えばいいのかしら。3Com？

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